2007.11.25 Sunday
優秀な留学生は不利益を被る?
東京新聞の投書欄より
以前、オーストラリア・グリフィス大学の学士(大卒相当)が、日本における大卒として認められるのか否かについてコメントしました。
外国大学の学士取得者の日本における評価(1) ─オーストラリアの学士は認められない?
外国大学の学士取得者の日本における評価(2) ─ハーバードもオックスフォード卒も日本に来たら短大扱い?
取材途中のままだったため、結論部分はきちんと書きませんでしたが、この投稿記事によると、米国の四年制大学を優秀な学生であることを根拠に、短縮して卒業した場合、日本は四年制大学卒業者とは認めないということがわかりました。
オーストラリア・グリフィス大学は、3年間で約120単位を修得し、看護学士(※)を取得できるコースを有していて、日本においては日総研がその分校的役割をしています。(今は新規の募集を中止しました)
(※)私は国内法に基づく学士は「学士(看護学)」等と表記し、外国法に基づく学士は「看護学士」等と表記するようにしています。
日総研が関わっているか否かに関わらず、グリフィス大学を初めとするオーストラリアの三年制看護大学を卒業しても、「職場では大卒として扱われない」とか、「大学院の受験資格が無いと言われた」なんて話がちょこちょこあり、一方で日総研にインタビューをすると「大学院の受験資格を与えられた卒業生もいる」といった回答をされたため、矛盾しているような、または非常に微妙な印象を受けた私ですが、やっと理解できました。
現行制度はとにかく四年制でなければ大卒としては認めない
こうして見てみると、「グリフィス大学に関しては三年制の課程だから、日本においては三年制の短大を卒業したものとして扱われる」ということで、投稿記事のような「単位を十分に満たして四年制大学を3年で卒業した者は、在学期間が3年だからという理由で三年制の短大卒業者として扱われる」ということがわかりました。
投稿者自身も述べているように、「努力して優秀な成績を修めて早く卒業した人」が大卒と認められず、「ゆっくりたっぷり4年かけて卒業した人」が大卒相当として扱われるというのは納得できません(-_-;)。
せめて、「3年で卒業した人は、日本においては更に1年間を経過した後に大学院へ進学できる」という制度にすべきと私は思っています。
それにしても、なんかおかしいですよね。
海外の超一流大学を優秀な成績で、かつ短期間で卒業した人が、日本国内ではFランク大学卒以下の扱いを受けるというのは、どう考えてもおかしいです。
できることなら、大学評価・学位授与機構が外国大学卒業生を個別に審査して、一定の基準を満たした学歴を有する人には、積み上げ単位や学修成果を要せずに「学士」や「大学院入学資格」を認定・授与しても良いのではないかと私は思います。