2008.01.23 Wednesday
ホームページ泥棒をやっつける PRビデオ
「厚生労働省の法解釈は誤り」として混合診療を原則禁止してきた国の政策は違法とする判断を示した7日の東京地裁判決。判決後、会見した原告の清郷伸人さん(60)は「全国の重病患者に影響する判決だ。一刻を争う患者が望む治療を合理的な費用負担で受けられるように、国は制度を改めてもらいたい」と感極まった表情で語った。
清郷さんは「保険医療を受けている患者が、効果があると言われて保険対象外の薬を使おうとしても、全額自己負担になれば踏み切る人はいない。それで、命を落とすこともある。混合診療は弊害よりメリットが大きい」と訴えた。
清郷さんの場合、保険外診療を併用すると、保険対象のインターフェロン療法の負担額が月6万〜7万円から、約20万円に膨れ上がるという。清郷さんは「判決は、国の制度に根拠がないことを明確にした。日本の医療が大きく変わることを期待している」と話した。
混合診療が全額自己負担とされることに疑問を感じ、解禁すべきだと考えた清郷さんは法律相談などを通じて提訴を決意した。だが、医療を専門とする弁護士には選任依頼を断られた。このような裁判の経験がないというのが理由。清郷さんはインターネットなどで制度の勉強を重ね、自分一人で訴訟の書面などを作成し、国と争ってきた。【北村和巳】
舎那院の吉田住職ら、自費出版本で
「全国の書店にあなたの本が並ぶ」などと売り込みながら、実際は数店舗にしか本が並ばなかったとして、長浜市宮前町の舎那院住職・吉田龍恵さん(77)ら4人が4日、自費出版業界最大手の「新風舎」(東京都)を相手に、総額760万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると同社は広告で「全国各地の書店で販売される体制を整えている」と宣伝。4人は「共同出版」契約を結び、印刷、宣伝費用などを支払ったにもかかわらず、本は数店に陳列されただけで、全国の書店には並ばなかった。
吉田さんは40代に世界中を旅した経験をまとめた「世界けんか独り旅」500冊を2003年に出版し、費用として137万5000円を支払った。自費出版にあたり、担当者からは「この原稿は素晴らしく面白いので是非出版したい」「小説家・有名作家と同じ書棚に並びますよ」などと言われたが、本が並んだのは長浜と大津の4店舗だけで、1カ月ほどで姿を消したという。吉田さんは「同社に抗議しても担当者がころころ変わった。社長は忙しいと、会おうともしなかった」と語っている。
原告団の中には、全国の書店に並ぶと言われ、友人からカネを借りて出版した作家志望の若者もおり、吉田さんは「これ以上、被害者を増やしたくない」と訴訟に踏み切った。